卸団地ニュース第175号掲載
平成17年10月20日〜10月22日に、牧野浩隆沖縄県副知事を団長とする那覇空港拡張整備促進連盟(他27名)で低コスト早期実現を果たし、愛知県に開港以来、飛躍的に発展しているセントレア国際空港を視察しました。
中部国際空港セントレアは他の空港建設に比べて非常に安いコストで建設されています。建設会社は中部国際空港株式会社で、その出資比率は、国・地方自治体・民間(766社)の三者がそれぞれ410億円(40%)、102億円(10%)、512億円(50%)となり、その会社で空港及びターミナルを建設する事でコスト削減を図り、当初予算7,680億円の総事業費に対して、6,500億円と1,000億円以上のコストを削減し完成しました。
コスト削減の要因としては、土砂が安く購入できた事と低金利融資の活用、更には看板方式(トヨタ生産方式)でも有名なトヨタ出身の社長就任が挙げられています。因みに関西空港の総事業費は1兆5千億円を費やしているそうですが、セントレアにおいては、半額以下のコストで立派な国際空港を完成させる事に成功しています。
その他に、セントレアへのアクセス方法の多様化による利便性の向上も図られている上、各地において地域との摩擦を生じ易い環境問題も巧みに回避し、地域一体となって建設気運を高め、短期間での建設が実現されています。
以上のような事業スキームに対する工夫の他にも、@利用促進事業として「新規参入路線の定着と国際線のさらなる拡充に向けて地元を挙げてセントレア便の優先利用の推進」、A全国宣伝事業として「地方都市及び海外からの乗り継ぎ需要の喚起にむけて地方空港との連携の強化」、B物流拡大事業として「セントレアの物流機能の優位性のPRと新規参入路線の定着及びネットワーク拡大」、Cエアポートセールスの推進として「地域と海外とのあらゆる交流の機会を活用し、エアポートセールスを実施」と他の空港事業とは異彩を放つ事業計画を明確にし、単に航空機利用者のみの交通施設という発想に留まらず、多くの観光客や近隣地域の住民が、日常的にも利用できる観光やレジャースポットとしての機能を高めて、"公益性が持つ宿命的な赤字体質"に苦慮する全国多数の第3セクターとは異質の"営利性、効率性を重視した民間体質"を堅持した優良企業と感じられるものでした。
空港利用者数においても愛知万博(愛地球博)の開催もあったとはいえ、当初1,500万人の予定に対し30%を上回る2,000万人の利用者実績を達成しているとの事でした。
今回の視察においてセントレア国際空港の建設が早期・短期間に行なわれた事に着目し、どのような手法を持って実現されたかを伺いましたが、自治体や企業体が主導を持って建設の推進を図る事も必要とは思われますが、かえって地域の人々に反発を買ったり、強い抵抗に遭っているケースも多数見受けられており、現実的に最も近道は、地域から空港建設が望まれ、盛り上げられるような体制となる事が重要であり、地域住民のコンセンサスを得る事が最も大切な事であると感じました。
私達、沖縄の那覇空港拡張整備においても、より多くの県民にとって有益となる事が目に見てわかるようにし、地域住民のコンセンサスを得る事に全力を尽くして、沖縄県全体が空港建設を早期に望む気運を高める環境を作り、県民も参加するジョイントセクターとしての事業計画と共に活動が推進される事が、結果的に早期実現につながるであろうと思います。
また、那覇空港拡張整備促進連盟においては、あらゆる組織や階層、政治の上での保守・革新を問わず広く県民に門戸を広げ、意見を聞き、アピールをしていく必要があるではないかと感じる次第です。